
青森ヒバの樹皮は、実は使い道がかなり少ないそうです。おがくずなら、ほとんど値段がつかなくても、養鶏場や養豚場などが大量に引き取ってくれることがあります。でも、樹皮は違う。そのまま置いておくか、場合によってはお金を払って処分する。
それを聞いたとき、「これ、何とかできないのかな」と思いました。とりあえず、樹皮を車いっぱいに積んで東京へ持ち帰りました。帰りの車内は、ヒバの香りでいっぱい。「こんなに香るなら、何かに使えるよね」「防虫にも使えるんじゃない?」。そんな話から、まずガーデニング用途を試しました。
思っていたのと真逆だったこと
自宅の庭に置いたり、植木鉢の底に敷いたり。そして1週間後。見事に、虫だらけになりました。
樹皮が土の水分を保ち、水分の蒸発も抑えたことで、屋外では逆に虫にとって居心地のいい環境になったのかもしれません。ヒバだから虫を遠ざける。そんなに単純ではありませんでした。
失敗して、考えて、また試す。
樹皮を使った燻製ビールへ
そこからも、樹皮を何とか使えないか、いろいろ試しました。そして最終的にできたのが、ヒバの樹皮を使った燻製ビールです。
ただ、ビールが完成してから、今度は別の問題が起きました。檜葉三百には、酒販免許がなかった。「作ったけど、売れないじゃん」となりました。
結果として、製造してくださる会社から直接卸してもらう形に変更。その後、このヒバビールは星野リゾートでも販売していただきました。
試してみないと、分からない
もともとは、処分に困っていた樹皮です。それが、失敗して、考えて、また試して、商品になった。私たちがやりたいのは、たぶんこういうことです。
木の価値を、木材だけで終わらせない。全部うまくいくわけではありません。むしろ失敗もあります。でも、試してみないと分からない。これからも、そんなふうにヒバの可能性を探していきます。
