1|自然との距離

日々、やることに追われて余裕がなくなっていく。
気づけば呼吸は浅くなり、SNSやニュースを見ても心が落ち着かない。
私自身、そんな状態に長く身を置いていた時期がありました。

その時ふと、「整っていない」という感覚がありました。
でも、“整う”って何だろう?と改めて考えてみると、それは、
心と体が自然なリズムを取り戻し、静かに深呼吸できる状態のことなんじゃないかと思うようになりました。

私がその感覚に再び出会えたのが、青森の森に入ったときでした。
湿った土の匂い。風に揺れる葉音。
そして何より、そこで出会った一本の木──ヒバ(檜葉)の香りでした。

その香りを深く吸い込んだとき、張り詰めていた心と体が、
すっとほぐれていくような感覚がありました。
それが、私にとっての“整う”の原点です。


2|森が整い、私が整う

青森ヒバは、100年、200年、時には300年以上も生きる木です。
しかも、世界に存在する天然ヒバの約8割が青森にあるという、世界的にも希少な存在。

この木には「ヒノキチオール」という天然成分が多く含まれていて、
抗菌・消臭・防虫効果があることはもちろん、その香りには心を鎮める力があります。

檜葉三百では、このヒバの力を「香り」や「プロダクト」というかたちで、
現代の暮らしの中に持ち込む試みをしています。

ただし、私たちが大切にしているのは、“森からもらうだけ”ではありません。
私たちは、林業の現場で本来廃棄されていた端材や木屑を活かし、
精油や入浴剤などに加工し、自然と人が共に整う“循環”の仕組みを目指しています。

ヒバを使うことで森が手入れされ、森が整う。
整った森が香りを生み、人の心と身体を整える。
そうした“整いの循環”が、檜葉三百の目指す世界です。


3|整う時間を、暮らしのなかへ

私たちのプロダクトは、どれもシンプルなものです。
香りのスプレー、ヘアオイル、シャンプー──
けれど、それらには森がくれた力と時間が詰まっています。

部屋にひと吹きして空気を整える。
湯船に浮かべて深呼吸する。
香りに包まれながら髪を洗う。

そんな何気ない瞬間の中に、自分を取り戻す“整う時間”があると、思っています。

そしてもう一つ。
このプロダクトを選ぶことが、森を守る一歩にもなるという事実を大切にしています。
誰かの暮らしが整うことで、自然もまた、未来へとつながっていく。
それが檜葉三百の想いです。


自然とのつながりを、もう一度。
森が整えば、私も整う。
私が整えば、また自然に優しくなれる。
檜葉三百は、このやさしい循環をつくるブランドであり続けます。

株式会社檜葉三百 代表取締役 臼井亮人