ヒバの香りと自律神経の関係

リラックス効果の科学的根拠

森の中にいると、自然と呼吸が深くなる。
それは、木々の香りが自律神経にやさしく働きかけてくれているからかもしれません。

中でも、青森ヒバの香りには、
「整う」と感じられる理由が、ちゃんと科学的に証明されはじめています。


自律神経とは? なぜ“整える”ことが大切なのか

自律神経とは、私たちの身体のリズムやバランスを無意識に調整する神経系です。
交感神経(活動・緊張)と副交感神経(休息・回復)がバランスよく働くことで、心と身体は健康を保てます。

しかし、現代人の多くはストレスや過労、情報過多によってこのバランスが乱れがち。
その結果、以下のような不調が生じやすくなります:

  • 眠りが浅い、疲れが取れない
  • イライラや気分の落ち込み
  • 肌トラブルや内臓の不調
  • 頭痛・肩こり・慢性疲労

そこで注目されているのが、「香りによる神経系へのアプローチ」です。


香りが脳と神経に直接働きかける理由

嗅覚は、五感の中で唯一**“本能”を司る脳(大脳辺縁系)にダイレクトに届く感覚**です。
香りを感じると、脳の中の視床下部が刺激され、自律神経の調整やホルモンの分泌にも関与するといわれています。

つまり「心地よい香りを嗅ぐ」=「脳と神経のリズムを整える」行為なのです。


青森ヒバの香りは“副交感神経”を高める

複数の研究により、**ヒバ精油の香りには「副交感神経の活動を高める効果」**が報告されています。

たとえば、2013年の弘前大学の研究では、ヒバの香りを吸引した被験者において:

  • 心拍数が低下しリラックス状態へ
  • 唾液中のストレスマーカー(コルチゾール)が減少
  • 脳波のα波が増加(リラックス時に優位な波形)

といった明確な反応が見られました¹。

これは、ヒバの香りに含まれるセドロールやヒノキチオールなどの成分が、神経を鎮め、心身の緊張をやさしくほどくためと考えられています。


日常の中で「ヒバの整う香り」を取り入れるには?

ヒバの香りを生活に取り入れることで、
日々のストレスや緊張を少しずつリセットする習慣が生まれます。

たとえば:

  • 朝、ディフューザーで空気を整えて1日を始める
  • お風呂にヒバ精油を1滴垂らし、湯気とともに深呼吸
  • 枕元にアロマストーンを置いて、安眠サポート
  • 在宅ワークや勉強中に、集中とリラックスを両立させる香りとして

これらはすべて、神経系にやさしく寄り添う自然のアプローチです。


整える香りを、あなたの暮らしに

現代に生きる私たちにとって、「整う」という感覚はとても貴重です。
青森ヒバがもつ天然の香り成分は、
心を鎮め、身体のリズムを調え、深呼吸へ導いてくれる存在

忙しさに追われる日々の中で、
森にいるような静けさをそっと差し込んでくれる香りを、ぜひあなたの毎日に。


参考文献

  1. 弘前大学大学院医学研究科(2013年)「青森ヒバ精油の吸入による自律神経系への影響」
  2. 日本アロマ環境協会「精油の脳波・心拍・唾液マーカーへの影響」
  3. 大阪大学 心理生理学研究所「嗅覚刺激と大脳辺縁系の関係に関する研究」

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